開催レポート:2014年6月12日 開催レポート:2014年9月4日 開催レポート:2014年10月23日

【第一回:定例勉強会】女性が輝く社会の実現を目指して! 30名の働く女性が集結。

6月12日、立川市のたましん事業支援センターで、女性たちのための定例勉強会がスタートしました。
この勉強会では、今後会社の中心となり、後進の女性社員を支援する立場になることが期待される女性たち30名が参加し、女性が活躍するために何が必要か、メンター制度とは何かなどを学びます。また、参加者同士が交流し情報交換することで、他社の事例や女性として働くことの悩みなどを共有し、互いにエンパワーメントする場も目指しています。

Part1 自己紹介:しっかり学んで社内改革に活かしたい!

第1回となる今回は、参加者30名の自己紹介からスタート。勤務している会社の紹介、自分の担当業務、参加の動機を1分以内でまとめていただきました。
「他社の事例を聞いて女性が働きやすい職場環境を作るためのヒントを得たい」「育休取得第一号の女性がようやく出たが、復帰後の職場環境をどう整備すればいいか学びたい」「女性が長く働ける社内の体制を学びたい」「社内に女性が少なく、悩みを相談しづらい。他社の悩みも聞きたい」「女性の後輩が増えてきたが、後輩たちのよりよい相談役になれるよう勉強したい」「女性の伸びる会社にすることが経営方針。しっかり勉強して社内の体制作りに活かしたいい」「学んだことを社内に持ち帰って教育に活かしたい」など、明確な目標を持って参加している方々ばかりでした。

Part2 レクチャー:女性活用は日本経済の成長戦略の要

キャリアカウンセラーの田中智穂さんから、今、なぜ女性活用なのか、女性活用のために何が必要かなどをお話しいただき、今後、勉強会を進めていくにあたって知っておいてほしい基本的な知識を共有しました。

【女性の活躍が求められる背景】

今、日本は深刻な少子化に陥っており、労働力人口の減少が問題になっています。そこで現在眠っている女性の労働力に注目が集まっています。しかし現状は、女性の約7割が第1子出産後に退職していて、年齢別の労働力率を見ると、25歳~44歳の女性の労働力率が顕著に減る、いわゆるM字型カーブを描いています。これは、先進国の中では日本や韓国に特有の現象です。諸外国でも20年前には日本と同様にM字型カーブを描いていましたが、諸施策によりその状況が改善されたのです。韓国も最近では急ピッチで改革が進んでいて、日本は遅れを取っているのが現状です。
一方、家庭内に目を向けると、昭和55年には妻が専業主婦の世帯数が、共働き世帯数のほぼ倍を占めていましたが、平成3年を境に逆転し、その差はどんどん広がっています。その背景には、賃金の低下や非正規雇用の増加などによって、男性だけで家計を支えることが難しくなっていることがあります。
社会的にも、家庭的にも、女性が働くことが求められる時代になっているのです。

【ポジティブアクションとは】

ではどのようにして、女性活用を進めていけばいいのでしょうか。
政府は、女性活躍推進=ポジティブアクションに取り組むことを企業に求めています。
ポジティブアクションには、①女性の採用拡大、②女性の職域拡大、③女性の管理職の増加、④女性の勤続年数の伸張、⑤職場環境・風土の改善、⑦推進体制の構築(経営層の役割、全社一体化)の、7つのテーマがあります。これらに取り組むことによって、M字型が解消され、得られる労働力は342万人と言われています。これらの人が仕事を得ることで、GDPが15%上がるという試算もあります。
しかし、これまで男性中心だった企業にとって、ポジティブアクションの取り組みは大きな変革を必要とします。
なぜなら、女性は、結婚、出産、育児、介護、夫の転勤などがキャリア形成の障害となることが多いからです。育児、介護、家事は、女性が働き続けることを困難にする理由のベスト3という調査結果も出ています。
女性活用の支援のためには、育児や介護をしながらでも仕事を続けられる「仕組みや制度」「企業風土」「上司のマネジメント」そして、本人の「意識改革」が不可欠なのです。

Part3:ディスカッション

レクチャーの後、5~6人のグループに分かれ「女性が働き続けるためには何が必要か」を話し合いました。互いに、自社の取り組みを紹介し合ったり、自分の育児と仕事の両立の経験や悩みを語り合うなど、活発なディスカッションが行われました。

  「育休の取得は認められているが、実際に取得したら迷惑がられることは皆わかっているので取りづらい雰囲気がある」
  「みんなが、出産や育児で大変なのはお互いさま、次は私の番になるから、という気持ちを持てるといい。それは制度の問題ではなく、企業風土の問題」
  「育児中の女性の大変さを理解しなければと頭ではわかっていても、子どものために休まれると、その穴を誰が埋めるの?と考えてしまう」
  「現場の仕事は女性には厳しいためほとんどが男性。子どものいる人は辞めるか事務職に移るしかない」

など、各社、さまざまな悩みがあることがうかがえました。

【各グループのまとめ】

●グループ①:辞めてほしくない社員になることが大事!
私は、出産後復帰した女性社員第一号です。育児と仕事を両立させるために、会社に相談し、週4日勤務に変えてもらいました。恵まれたケースだと思いますが、そのためには「辞めてほしくない社員」になることが大事だと思います。一人で抱え込まず、上司や家族に自分の状況を伝えることも必要です。そのためには、伝える力も磨かなければなりません。また、困ったときにほかの人に仕事を分担ができるよう、自分一人で仕事を抱え込まない体制作りも不可欠だと思います。

●グループ②:ライフスタイルによって勤務体系が変えられる!
当社には、ライフスタイルに合わせて勤務体系が選べる仕組みがあります。たとえば、一般の人は週40時間の勤務ですが、子どもの送迎がある人は週35時間勤務です。また、定時から定時ではなく、35時間のなかで時間をやりくりして働くことができます。勤務地も選ぶことができます。女性は、結婚や出産でライフスタイルが変わるので、大変いい制度だと思います。

●グループ③:ママの気持ちはママにしかわからない
育児をしている人だけを集めて、ひとつの部署を作った会社の事例が参考になりました。仕事と育児を両立している人の大きな悩みは、周りの理解が少ないこと。同じ境遇の人が集まることで、悩みや事情が分かるので、気持ちよく助け合うことができます。かといって甘えるわけではなく、他の人より短い勤務時間でどれだけ成果を上げるか、ということをチーム一丸となって考え、チームとして成果を上げている。そのような働き方はいいと思いました。

Part4:交流会

今回の勉強会を企画・運営している株式会社キャリア・マムの堤香苗社長の乾杯(お茶ですよ~)の音頭を皮切りに、参加者同士の交流会が行われました。中には普段名刺交換をする機会のない参加者もいましたが、積極的に名刺交換や情報交換が行われました。
次回は9月に開催される予定です。